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ペットを飼っている人々は多いが、今、飼われているペットのなかで、ペット自体が持っていて人間に感染するかもわからないウイルスだけで、200種類以上ある。
これを放置しておいていいものかどうかは、健康の視点からも考えてみなくてはならないと思う。 動物愛護協会に叱られるかもしれないが、もしも、今度の病気にペットが介在しているのなら、この際、断固たる処置が必要であろう」といった。
この話は、さきのK博士のいった、スペインかぜが60年間、ブタの体内に潜伏していたということもあって、ひとしきり話題になった。 時間は午後5時半を過ぎていた。
ここで、ひとまず夕食を食べて、少し休憩し、その間に厚生省結核感染症課で、原案のたたき台をつくって、午後7時から再開することにして、いったん休憩にした。 これまでわかったことをまとめてみると、興味深い話は数多く出されているのだが、具体的な対策として、どれを採用していくかとなるとかなりむずかしい。
国の対策であるので、憶測を混じえたものを採用するわけにはいかない。 正確だという情報に立脚した対策でないとどうにもならない。
そこがむずかしいところである。 まず、第一に行うべきことは、この際、WHOの勧告もあるし、日本としても、法定伝染病に指定することである。
かつて、エイズの際に、エイズを法定伝染病に指定するかどうかをめぐって意見が分かれたことがあった。 厚生省内でも、事務官は法定伝染病に指定すべきだとしたのに対して、技官は、エイズは空気伝染ではなく接触伝染なので、現行の法定伝染病法にはなじまないとして、結局、1987年に別の法律をつくったといういきさつがある。
そのために対策も遅れたというデメリットもあった。 法定伝染病に指定すること自体はそれでいいが、さて、具体的な対策となるとむずかしい。

隔離というのは、さきにも説明したように、それほど意味があるとはいえない。 なにしろ、感染経路も今ひとつはっきりしないし、人権の問題もかかわりがある。
結核感染症課長を中心に、なんとか意見をまとめようとするが、うまくいかない。 消毒の問題だって、クレゾールや、昇禾水では、うまくないとしたら、もっと強烈なものを指定さざるを得ない。
まさか、有機塩素や、フェニール水銀というわけにもいくまい。 そうこうしているうちに、厚生省から、また連絡が入って、とうとう病院の医師が感染して、昼ごろから高然を発しているという。
2日前に入院した患者を診察したという。 とうとう、来るべきものが来た、という感じである。

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